現在完了の定義には、一語足りない
EasyDictation を作っているチームです。YouTube の動画を英語リスニングの教材に変えるツールで、文字起こし・意味のかたまりへの分割・翻訳はすべて自分たちで作っています。
現在完了について、あなたはおそらく同じ一文から学び始めました。どの文法書にも、ほぼ一字違わずこう印刷されています。
過去に起きて、現在まで続いている動作。
これがこの時制について最初に教えられることであり、そのあと何年もこの時制を誤って使い続ける原因でもあります。英語で書かれた教材はもう少し曖昧に言い回すことが多いのですが、日本語の教科書に載る「現在まで続いている」はとりわけ字面どおりなので、それが与える損害もとりわけ見事にきれいです。
実際の文でこの定義を試す
I have just eaten.
定義を字義どおり当てはめます。「食べる」は過去に起きて、現在まで続いている動作。つまり、朝 9 時に食べ始めて、いまもまだ噛んでいる。
もちろん違います。食事はずっと前に終わっています。
ほかの文でも試すと、定義は毎回同じ壊れ方をします。
| 文 | 定義に従うとこう読むしかない | 実際に本当のこと |
|---|---|---|
| I have lost my keys. | 何度もくり返し失くしている | 一度落ちて、それで終わり |
| I have broken my phone. | いまもスマホを折り続けている | ひび一回、以上 |
| I have been to Japan. | いま日本にいる | もう何年も前に帰っている |
四つの文、四つの失敗。しかもこれらは教科書のいちばん基本的な例です。
定義が落としているもの
まったくの間違いではありません。ひとつの場合だけは正しく説明できています。
I have lived here for ten years. → 本当だ。住んでいることは実際に続いている。
誤りは、一つの場合で正しいことを全部に当てはめてしまったことです。まずい語は**「続いている」**で、それが答えない質問はこれです。何が続いているのか?
教科書は、それが動作だとあなたに思わせたまま進みます。そこが欠けです。
現在まで続いているのは結果であって、動作ではない。
この一語を足すと、定義はやっと成り立ちます。
動作は過去に起きて、その結果が現在まで続いている。
同じ四つの文、二回目
| 文 | 動作(過去・完了) | 結果(いまも成り立つ) |
|---|---|---|
| I have just eaten. | 食べること | 満腹である |
| I have lost my keys. | 落とすこと | 部屋に入れない |
| I have broken my phone. | 壊すこと | いまスマホが壊れている |
| I have been to Japan. | その旅行 | その経験がある |
| I have lived here for ten years. | 移り住むこと | いまもここにいる |
今度は何も壊れません。最後の一つも含めて。古い定義が正しく説明できていた文は、新しい定義でもそのまま通ります。
これは "I have lost my keys" が、鍵を見つけた瞬間に使えなくなる理由でもあります。落としたこと自体は過去にそのまま残っていて、それを取り消せるものは何もありません。けれど結果が消えたので、文もそれと一緒に死にます。あとは普通の語りに戻るしかありません。"I lost my keys yesterday, but I found them."
なぜ「続いている」がそれほど高くつくのか
英語には、動作が続いていることをまさに仕事にしている時制が、すでにあるからです。
I have been waiting for an hour. (現在完了進行形)
教科書の定義は進行形を説明しておいて、それを単純な現在完了に貼りつけています。だからいざ have been V-ing にたどり着いたとき、二つが同じに見えて、選ぶ根拠が手元にありません。この二つは似ても似つきません。
I have painted the kitchen. → 見て、台所が新しい。これは結果の話。 I have been painting the kitchen. → だから絵の具まみれなんだ。まだ終わっていないかもしれない。これは過程の話。
一行で切り分けられます。完了は結果を報告し、進行は過程を報告する。
まとめ
古い一文は捨てて、こちらを持っておいてください。
起きたのは過去だが、言いたいことは「いま」についてである。
have + 過去分詞 を書く前に、質問をひとつ。そのできごとは、現在に何を残したか? 答えられるなら、時制は正しい。何も残っておらず、ただ話を語っているだけなら、過去形を使います。
それから just, already, yet, ever, never は? 近くによく現れる語であって、それ以上のものではありません。アメリカ人は一日中 "I just ate" と言っていますが、空は落ちてきません。
とはいえ、理解していることと反射で使えることは、別の距離です。ネイティブはこうした表を学んだことがありません。実際の会話でその型を何万回も聞いてきたから、正しい時制を選べるのです。残っているのはその距離で、EasyDictation はまさにそこのために作られています。実際の YouTube 動画を使って、聞こえたものを意味のかたまりごとに打ち出す。文法は表からではなく、耳から届きます。