as と when の違い:一語入れ替えるだけで、文の意味が変わる
EasyDictation を作っているチームです。YouTube の動画を英語リスニングの教材に変えるツールで、文字起こし・意味のかたまりへの分割・翻訳はすべて自分たちで作っています。
こんな文を英語にしているとします。
会社が拡大するほど、採用するエンジニアも増える。
二つの節をつなぐところまで来て、手が止まります。as? when?
辞書を引くとかえって混乱します。どちらも「〜のとき」と出てくるからです。それで適当に一つ選んで、そのまま送ってしまう。
けれどこの二語は入れ替えられません。as を when にすると、文の意味そのものが変わります。
We hire more engineers as the company expands. 会社が拡大するのにつれて、採用も増えていく。
We hire more engineers when the company expands. 会社が拡大したら、そこで採用を始める。
前の文は進行中のできごとで、二つが並んで少しずつ動いています。後の文は境目です。その点に達するまで、一人も採用しません。英語のネイティブはこの差をその場で聞き取ります。
二つの語、二つの絵
when は時間軸上の一点です。そこに達すると、別のことが起きます。
as は並んだ二本の線です。片方がどこまで進んでも、もう片方が一緒に進みます。
この二つの絵を持っておけば、たいていの場面は自分で決まります。
テスト 1: 「〜につれて」「〜ほど…」で言えるか
日本語には、並んで動く線のための言い方がすでにあります。〜につれて、そして**〜ほど、ますます…**。この形で言える文は、英語では as です。
近づくにつれて、画面が鮮明になる。 The picture gets sharper as you move closer.
締め切りが近づくにつれて、オフィスは静かになっていった。 As the deadline approached, the office got quieter.
年をとるにつれて、彼女は口数が少なくなった。 As she got older, she spoke less.
同じテストの、もう少し雑な版もあります。while に置き換えてみることです。while を入れても壊れないなら、二つの節は本当に時間的に重なっていて、as で安全です。
この三つに when を入れると、文法は生き残りますが意味がずれます。When she got older, she spoke less は、ある年齢に達した彼女が急に黙り込んだように聞こえます。年月とともに少しずつ口数が減っていった、という話にはなりません。
テスト 2: 「〜したら」「〜するたびに」で言えるか
逆から試します。〜したら、〜するたびに、〜した瞬間にで言える文なら、when です。
このボタンを押したら、明かりがつく。 When you press this button, the light turns on.
雨が降るたびに、庭が水浸しになる。 When it rains, the yard floods.
ここには少しずつ進んでいくものが何もありません。きっかけがあり、そこを越えると別のことが起きる。ここに as を押し込むと不自然です。ボタンを押すことには、並走できるだけの長さがないからです。並行線を引く相手がいません。
これがアスペクトのテストを普通の言葉で言い直したものです。as は進行中の二つを欲しがるので、その節は継続的・段階的な動詞に寄ります(expands、approached、got older)。when は瞬間的な動詞と相性がいい(press、arrives、rains)。
「〜していたら、突然…」は when の本領
もう一つ型があります。学習者がいちばん逆に書いてしまう型です。進行中の動作が、途中で断ち切られる場合です。
歩いて家に帰っていたら、突然雨が降りだした。 I was walking home when it started to rain.
並べ方に注目してください。進行中のほうが主節に座り、when はそれを断ち切ったできごと、つまり雨のほうに付きます。多くの人は逆に書いてしまいます(When I was walking home, it started to rain)。間違いではありませんが、不意を突かれる感じが消えます。「中断」の読みは、when が突然のほうを指していることに支えられています。
as もこの位置に入れますが、ずっと穏やかになります。
As I was walking home, it started to rain.
これだと二つのできごとが単に重なっているだけで、誰も驚いていません。
注意: as には別の仕事が二つある
ここが学習者のこじれるところです。as は掛け持ちをする語だからです。
As it was raining, we stayed in. → この
asは**〜なので**。 She works as a translator. → このasは**〜として**。
どちらも時間とは関係ありません。位置で見分けられます。時間の as は、二つの節がどちらも進行中のことを述べています。理由の as は後ろに理由が来て、たいてい since や because に置き換えられます。役割の as は節を率いるのではなく、名詞の直前に置かれます。
早見表
| 日本語でこう言えるなら | 選ぶのは | 例 |
|---|---|---|
| 〜につれて · 〜ほど、ますます… · 〜しながら | as | 近づくほど鮮明になる → as you move closer |
| 〜したら · 〜するたびに · 〜した瞬間に | when | 雨が降ると庭が水浸しに → when it rains |
| 〜していたら、突然… | when を突然のほうに付ける | 歩いていたら突然雨 → …when it started to rain |
一文でまとめると、as は二つが一緒に動く、when はその点に達したら起きる。
最初の文に戻る
冒頭の文をもう一度見てください。「会社が拡大するほど、採用も増える」は「〜につれて」「〜ほど」の形にすでに収まっています。だから答えはこうです。
We hire more engineers as the company expands. ✅
この二語が難しいのは規則が複雑だからではなく、辞書が両方を「〜のとき」に押しつぶしてしまうからです。その訳をいったん頭から外して、文を「〜につれて」で一度、「〜したら」で一度読んでみる。抵抗しないほうを選べばいい。前置詞や接続詞のほかの組み合わせも同じやり方で解けます。through・throughout・across の図形も、's と of の焦点の規則も、この「まず絵で考える」やり方に素直に応じます。
ただ、規則を知っていることと、考えずに手が出ることは、まだ別の距離です。ネイティブは頭の中で図を描いていません。as the company grows を何度も聞いてきたので、when the company grows が出てきた瞬間に警報が鳴るのです。残っているのはその距離で、そこが EasyDictation の役に立つところです。実際の動画を使って、意味のかたまりごとに打ち返す。こうした小さなつなぎ語を、まず耳になじませてしまいましょう。